備前真光(びぜんさねみつ)

  • 位列 : 古刀上作
  • 国 : 備前国
  • 時代 : 鎌倉時代後期 文保頃 1317-1318年頃

 

備前真光は、長光の門人と伝え、現存の作刀は少ないが、正応2年の年紀作が現存し、「備前長船住真光」「備前国長船住人真光」「備前国長船住左近将監平真光」と銘する作例がある。
備前真光の作品は多くは残されていないが、国宝:1振、重要文化財:1振を輩出している。なかでも、国宝に指定される太刀は、織田信長が徳川家康の重臣:酒井忠次に与えたもので、爾来、同家に伝来した。長篠の戦いでは酒井忠次は悪天候の中、奥三河山中を夜間進軍して武田軍の背後の鳶巣山砦を強襲する功をあげる。その後、天正10年(1582)、織田信長は甲斐の武田家を破り、その帰途、三河国の吉田城に寄り、忠次が接待役を務めていた。その時、信長は忠次の戦功を賞し、黄金二百両と真光の太刀を与えた。

太刀 銘 真光 致道博物館蔵
長さ:2尺5寸5分(77.3cm)、9分半(2.9cm)、形状は、鎬造り、庵棟、腰反り高く踏張りがある猪首鋒の太刀である。鍛えは板目よくつみ、地沸よくつき、地景入る。刃文は小丁子に小互の目、小乱れ交じり、裏に腰刃を焼き、小足よく入り、総体に匂深く小沸つき、匂口冴える。帽子は乱れ込み、先尖りごころの小丸、表に金筋かかる。彫物は表裏に棒樋を掻き流す。茎は生ぶ、先栗尻、鑢目勝手下がり、目釘孔三、鎺下中央に「真光」と二字銘があり、「光」の字は孔にかかる。この太刀は長光に比べて焼幅が狭く中程をやや華やかな丁字乱れ、物打を小丁子と小乱れを焼いて古調があり、格調が高い。
付属する糸巻太刀拵は信長より与えられた当時の物で、金具は赤銅魚子地に高彫り、金色絵の五三桐紋を散らし、鞘は金梨子地で文様はなく、柄と鞘の渡りを茶糸(組紐)で巻いたものである。数少ない桃山時代の糸巻太刀拵として基調である。

(参考文献:日本刀大百科事典より転載・引用・抜粋)