刀匠の多くは後継者の育成を行うのが難しいのが実情のようです。とはいえ日本刀の文化を次世代に受け継いでいくためには、どうにかして後継者問題を解決していかなければなりません。仮に若者が刀匠を目指したとしても、様々な事情を理由とし弟子の受け入れ自体を行っていない刀匠も少なくありませんから、真剣に目指している人はかなりの時間と熱意を用意しなければならないでしょう。
そして運よくどこかに弟子入り出来たとしても、今度は厳しい修行の日々が待っています。しかしこの修行で音を上げるようなら、刀匠に向いていなかったと思い直す他ありません。刀匠になるためには、文化庁の課す試験に合格するだけの確かなスキルを身に付ける必要があるからです。
また修業が弟子にとって辛いのは、肉体と頭の酷使に加えて、収入が得るのが難しい可能性がある点もあげられるようです。刀匠に熱意を伝える時点で、収入は期待しないと腹をくくるだけでなく、むしろ教わることへの謝礼を払うぐらいの覚悟が必要な場合もあります。
修業の中身は刀匠の方針によりますが、最初の数年間は鍛冶に携わらせてもらえることは無いといってもよいかもしれません。言わば雑用係のような仕事を任されるはずです。その雑用をこなしている間に、刀匠の仕事を見て覚えていくしかありません。少しずつ覚えれば、年数が経つと簡単な仕事を与えてくれるようになるはずです。
ただ弟子としてはそれまでに勉強しておくことが山ほどあるため、「いつまでも教えてくれない」と感じることはあまりないはずです。日本刀に関する知識を身に付けたり、日本史や古文を勉強したりするのは、弟子としての業務の一環だと言ってもよいでしょう。

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