刀 銘 長曽祢興里虎徹入道について
「刀 銘 長曽祢興里虎徹入道」は長曽祢虎徹の初期作で、截断銘に見られるように寛文元年の一年前、万治四年ごろの作と考えられています。
身幅が広く、板目がよく整った地鉄に、地沸が豊かに表れている点が特徴です。地鉄は明るく冴えており、刃文は鎺元で直刃を長く焼き出し、上部では小のたれに互の目を交えた変化のある構成となっています。匂は深く、小沸もよく付き、匂口は輪郭がはっきりとして冴えた表情を見せています。全体として覇気に満ちた仕上がりと言えるでしょう。
しかも、先に触れたように鋒がよく伸びた豪快な姿をしており、見どころの多い一本です。ただし、およそ5cm(約一寸五分)ほど区送りされている点は惜しまれます。これは実用上の必要からではなく、焼出しが長く残っている見た目を整える目的で、意匠面を意識して区送りが施されたのではないかと考えられます。
銘文では「興里」を上に配している点や、銘を切る位置で「興」の字を奥寄りに刻んでいる点に注目すべきでしょう。さらに、全体にやや長めの銘振りとなっている点も、この時代を見極める重要な手がかりとなります。
なお、山野勘十郎成久による截断銘が刻まれていますが、これも虎徹が自らの切れ味を示すために用いた、いわば品質保証の一つでした。
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