室町時代から、天下五剣のうちに数えられ、室町将軍から秀吉、家康へと伝来し、秀忠から越前の結城秀康に贈られ、その後、作州津山の松平家に伝来した刀剣と言えば、安綱の名物童子切ではないでしょうか。長さは約80cm(二尺六寸四分)、反り約2.7cm(八分九厘)とされ、童子切のいわれというのは、源頼光がその昔、この太刀を使い酒顚童子を退治したことにあるとされています。
童子切は全体的に小峰の詰まった細身のもので、腰反りが高く、踏ん張りがあるのが特徴でしょう。鍛は沈んでやや肌立っている小板目で、地沸豊かに地景も交じり、刃文は浅く湾れて小乱、互の目交じり、金筋など盛んに交えています。乱込んで火焔のように浅く返っている帽子や、地刃の健全さなどをとっても優れたものと言え、日本刀の横綱とも称される一品であると言えるでしょう。終戦後は、松平家から出て、現在は国の所有であり、国宝として指定されているようです。
もう一つ国宝として有名な刀剣は、銘を備前國友成造とするものではないでしょうか。長さ約79cm(二尺六寸〇分七厘)、反り約2.3cm(七分六厘)で、銘振りや作風から見ても、同名のものの中では最古のものであり、最高の出来であるとされています。
友成は、鎌倉時代まで同名を名乗る者が数人いたとされているほか、1235年~1238年の作が確認されていることから小備前派の棟梁の一人とも言われています。平安時代や鎌倉初期に見られる太刀姿の見どころというのは、やはり刀身の反り具合ではないでしょうか。放物線を描く反りではなく、鋒の方にいくにつれ、反対にぐっと起きるような造形になっているのです。

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