今回は「名物桑山保昌」と呼ばれる国宝の短刀をご紹介しましょう。

こちらの短刀は前田家伝来の品であり、かの有名な『享保名物帳』にも掲載されています。桑山保昌という号は、桑山伊賀守元晴が所有していたことに由来しているとのことです。

銘は「高市住金吾藤貞吉 元亭二二年甲子十月十八日」となっており、表には肩の怒った素剣が、裏には菖蒲樋と薙刀樋などが彫られていて、その彫は極めて深くなっています。

 

長さはおよそ25.8cm(八寸五分)で、反りはありません。平造、三ツ棟、幅は八分三厘と広幅で、重ねは二分六厘と厚めです。先幅を落とさず、大きく派手な造り込みになっており、地鉄は整然とした柾目鍛で荒めに地沸がついています。

刃文の下半は匂本位であり、直刃に小紋交じり、上半は沸深い直刃です。砂流し、ほつれが多く、金筋も見え、帽子は尖りごころに返って強く掃掛けかかっています。

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