日本刀の刀身の彫刻には多くの種類がありますが、ほとんどの場合では、お墓に刻まれている古代インド語を表す梵字や、剣身に龍が巻きついた模様の彫り物である倶利迦羅のような宗教に関係したものが多いです。

そのことから日本刀に彫刻を入れるという文化は、刀工または注文主の信仰的動機から始まったものとの見方があります。

 

古刀の彫刻は、簡素で稚拙なものが多く存在していましたが、新刀になるにつれて複雑化されていき、瀧不動、恵比壽、大黒、鶴亀、松竹梅のような他異風のものが多く出てきます。しかし、彫刻はかなり精巧であるが、品位においては不十分なものが多かったようです。

刀身の彫刻はかなり手間のかかる仕事であり、どんなに急いでも20日以上は掛かります。

刀工は刀を制作するのにかなりの時間と手間を掛けていてたださえ忙しい中、その上彫刻をするとなると日々の練習も必要となってくることから、新刀時代の刀の彫刻を刀工がやったのかどうかでいうと不可能だったのではないかと言われています。

そのため新刀時代における精巧な彫刻は、刀工自身が彫刻をしたわけではなく、彫刻を入れる専門家の手によって作られたと想像されています。

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