清綱(きよつな)は鎌倉時代に活躍した刀工です。

清綱は周防国(すおうのくに:現在の山口県東部)で活動していた刀工一派である「仁王派」の祖として伝えられている人物でもあります。

後に清綱は「仁王清綱」と呼ばれることとなり、その名前の由来は、ある刀工が寺院で火事に遭遇し、仁王門が焼けて仁王像にも火が及ぼうとしたとき、門に繋がれていた鎖を自身が作った刀で断ち切って仁王像を救い出したことからだという説からその名前を名乗るようになりました。

仁王派の作る作風は、「大和伝」の伝統を受け継いでいる作品が多く残っており、鎬(しのぎ)が高く、「鎬幅(しのぎはば)」も広いという特徴を持っています。

 

太刀 銘 清綱

長さはおよそ77.9㎝(二尺六寸三分)、反りがおよそ2.3㎝(七分)。

鎬造、庵棟、小峰詰まり、腰反踏ん張りのある上品でやや古雅の感じのある太刀となっています。

鍛は板目大いに柾がかり、総体に白けごころがあって、ところどころに段がかった横映りが立っています。

波紋は上品な細直刃で、波紋の匂いに小沸が見受けられており、わずかに小足を交えています。

この太刀は経眼されたものの中で一番古い年季のある文永2年(1265年)の作品であり、現在は重要文化財として保管されています。

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