刀 銘 次郎太郎藤直勝 天保八年秋八月日
次郎太郎藤直勝による、天保※18年秋8月に製作された一振りです。長さは約70.8センチ(二尺三寸七分)、反りは約2.2センチ(七分三厘)。造り込みは鎬造りで身幅が広く、姿の整った力強い一振りとなっています。
棟は庵棟、切先は中鋒です。地鉄はよく詰んだ板目肌で、地沸がついています。刃文は互の目を基調とした大乱れとなり、小沸がついて足が入り、沸と匂が深く、金筋が働いて匂口が冴えています。帽子は湾れ込み、小丸に返ります。また、表裏には棒樋が掻き流されています。
この刀は、次郎太郎直勝の豪壮な作風を示す傑作の一振りとされています。養父である大慶直胤も天保年間には相州伝を多く手がけましたが、両者の作風には違いが見られます。直胤の互の目乱れは直勝と比べてそろっており、元焼から順に小沸が深くなる傾向があります。また、地鉄は板目肌が詰まず、大板目となるのも特徴です。
直勝は安政5年に54歳で没しているので、この刀を製作した天保8年頃は32歳の時期にあたります。出入りの激しい刃文には若々しい勢いがあり、沸や匂が豊かに現れ、刃文には冴えた印象があります。こうした特徴は、この時代の直勝を代表する作柄とされています。
※1天保
天保年間(1831年~1845年)頃。
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