青木兼元(あおきかねもと)

  • 指定:重要美術品
  • 刀 銘 兼元(号:青木兼元)
  • 長さ 2尺3寸3分(70.6cm)
  • 反り 5分(1.51cm)

青木兼元は、青木一重が真柄十郎左衛門直隆(直澄)を切ったと、伝えられている美濃国関の孫六兼元作の刀で重要美術品に認定されている。元亀元年(1570)6月28日、織田家と朝倉・浅井家の姉川合戦において真柄を切った猛者については、青木説と匂坂説の二説がある。
・青木説 青木一重が兼元の刀によって真柄十郎左衛門隆家を一振によって斬り倒した、とする説。十郎左衛門直隆と刀ではなく槍を合わせて倒した、とする説。または青木一重が槍を合わせて倒したのは、直隆の子:十郎某、または十郎三郎直基だった、とする説など諸説がある。
・匂坂説 匂坂六郎五郎がその手に取った鎌槍を用いて真柄十郎左衛門を鎌槍の横より延びる鎌の部分を真柄の鎧に引っ掛けて引き倒して転倒させ、見事に真柄の首を刎ねたとする説がある。
寛永5年(1628)、青木一重は死去をまえに遺言して、「真柄切り兼元」を、奥州白河城主:丹羽加賀守長重(五郎左衛門)に贈った。本阿弥光理・光柳らは延宝(1673)ころ、兼元の刀に五百両の値をつけた。その後、丹羽家に江戸期から近代まで長く秘蔵されていたが戦後なってから丹羽家をでた。
形状は、鎬造、庵棟、元先ともに身幅が広く、鎬幅広く、鎬筋は高く、反りは浅く、大切先に結ぶ。鍛えは、板目がおおいに流れ、平地と鎬地とも同一となり、鎬筋寄りに白け映り鮮明にたつ。刃文は、頭がさほどに尖らない三本杉の乱刃を焼き、刃縁はげしくほつれ、砂流しかかる。帽子は、乱れ込み、先は大丸風に返り先掃きかける。茎は、生ぶ、鑢目鷹の羽、目釘孔2個。

(参考文献:日本刀大百科事典より転載・引用・抜粋)

(法量)
長さ 2尺3寸3分(70.6cm)
反り 5分(1.51cm)
元幅 1寸2厘(3.1cm)
先幅 8分2厘(2.5cm)
鋒長さ 1寸8分4厘(5.6cm)
茎長さ 5寸6分7厘(17.2cm)
茎反り 僅か

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