千人切
千人切(せんにんぎり)
- 刀 (切付銘)天保八年十二月於千住山田吉利試之 太々土壇払 (号:千人切)
- 長さ 2尺3寸5分(71.2cm)
千人切は、千人の人を斬ること、または斬った刀をいう。千人は多数を意味することもある。なお、願をかけて千人斬りする場合もあった。阿武隈川の源左衛門は、父を行方も知れぬ人に討たれた仕返しに、千人斬りをした。三井寺の悪僧に千人斬りの荒讃岐とよばれるものがいた。鵜丸の太刀は、濃州久々利の土岐悪五郎が、京の五条橋で千人斬りしていて、河に取り落としたものを、鵜がくわえてきたものという。
寛永六年(1629)、江戸では白昼に千人斬りが行われた。千人刎ねともいう。織田信長の従弟:津田信任は、千人刎ねの棟梁といわれているのを、豊臣秀吉がきき、その所領を没収した。千人殺しともいった。天正十四年(1586)、大坂で大谷紀之助は癩病にかかっていて、千人の血をのめば治癒する、という俗説を信じてやったことだった。
首斬り浅右衛門の家に「千人切」とよばれる刀があった。刃長二尺三寸五分(約71.2cm)、無銘であったが、「天保八年十二月於千住山田吉利試之 太々土壇払」と切りつけてあった。これで吉田松陰らの志士や、高橋お伝の首を落としたと言われていた。
(参考文献:日本刀大百科事典より転載・引用・抜粋)
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長さ | 2尺3寸5分(71.2cm) |