七星剣(しちせいけん)

  • 指定:国宝
  • 直刀 無銘 (号:七星剣)
  • 四天王寺蔵
  • 長さ 2尺0寸6分(62.4cm)

 

 

七星剣は刀身に北斗七星を金象嵌した上古の剣で、寺伝によると丙子椒林剣とともに聖徳太子の佩刀と伝えられる。
切り刃造りの直刀で、鎬地に二筋樋をかき、その中に金象嵌をもって、佩き裏には上から順に、雲文・横一文字に三個の星・雲文・三角形に配した三個の星・雲文・北斗七星・雲文・雲文・青竜、佩き裏には、雲文・雲文・雲文・北斗七星・雲文・雲文・白虎の像を据えている。七星を一名、七政ともいう。七個の星の運行は、国の政治の運用のように、一定の法則に従って狂いがないからという。
佩剣に七星を象嵌するのも、国政の運用を希念したもの、つまり国家安泰の願いを籠めたものである。したがって横一文字に並んだ三個の星も河鼓三星、つまり大将軍・佐将軍・右将軍を、三角形に配された三個の星は三公、太尉・司空・司徒などの高官を表すという。なお、四神相応の説によれば、佩き表の青竜は東に流水、裏の白虎は西に大道のある地を意味するから、この七星剣はそういう地形の所で造られたものという。七星剣は戦後、研磨された結果、小板目に柾目まじり、地沸えのついた地鉄に、細直刃を焼き、砂流がかった作風があることが判明した。

形状は、切刃造り、丸棟、内反りごころの直刀である。鍛えは、板目が柾がかり、やや肌立つ。刃文は、直刃で、刃縁ほつれごころとなり、小沸つき、元を大きく焼き落とす。帽子はない。刀身表裏に二筋樋を掻き流し、樋上に先から元へかけて瑞雲、三星文、七星文、瑞雲、竜頭を金象嵌している。茎は生ぶ、無反りで、鑢目は不明であるが、恐らく槌目仕立てであった。茎先は懸通しの孔が欠損しているが、痕跡を止めている。星文を象嵌であらわしたものには他に正倉院の呉竹杖刀、法隆寺献納宝物中の銅製七星剣がある以外には、ほかに遺例のない大変に貴重な大刀となる。上古刀の中でも稀有の優品であり、その保存も良好である。

(参考文献:日本刀大百科事典より転載・引用・抜粋)

(法量)
長さ 長さ 2尺0寸6分(62.4cm)
元幅 7分9厘(2.4cm)
先幅 5分9厘(1.8cm)
鋒長さ 5分6厘(1.7cm)

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